アフタヌーンティーをホテルで。

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紅茶コラム 1 「最高においしい紅茶」

アフタヌーンティーは紅茶の国、イギリスで発祥した文化です。もともと、イギリス人は紅茶が大好きで、何がなくともまず紅茶なのです。

過去に、数人のイギリス人がいる職場で数年働いことがありますが、彼らは本当に、

  • 朝、会社に来たらまず一杯
  • 会議の時に一杯
  • 会議終わったら雑談で一杯
  • お昼前に一杯
  • お昼から帰ってきたら一杯
  • 3時だからとみんなで一杯
  • もう仕事が終わりだから16:30から一日の終わりに一杯

という具合に、本当にほんとうによく紅茶を飲みます。(これを書いている時、後ろにいたイギリス人に「ヘイ!ごはん食べながら一杯が抜けてるよ」と言われました)

 

今の仕事場はほぼ個人事務所なので茶葉で入れていますが、当時の、大きな会社の仕事場ではさすがに本格的に茶葉を使う人は少な目(そう、少なめ)ではありますが、本当にしょっちゅう「ねえねえ、お茶のむ?」と聞かれました。

もちろんYESなのですが、全部付き合ってるとお腹がちゃぷちゃぷになってしまいますので、朝と、お昼と15時に付き合うという感じでした。

 

彼らはいろんな茶葉やティーバッグを机の引き出しに詰め込んであり、お気に入りのマイカップ&ソーサーを使って、紅茶を楽しんでいました。ちなみに、英語では紅茶はブラックティー(BLACK TEA)と呼ぶそうで、実際に彼らの使っている茶葉やティーバッグから抽出されている紅茶は、黒に近い色をしています。

 

こんな風に、とてつもなく紅茶を愛している人たちですので、彼らの言い回しの中に紅茶やお茶を使った言い方が結構あることに気が付き、そういう時に「ああ、実に、実に、彼らはイギリス人なんだなあ」なんて内心、しみじみと関心していたことを思い出します。

この紅茶コラムでは、アフタヌーンティーの中でも、本来であれば主役である「紅茶」についてお話をしていきます。第一回めの今回は、お茶にまつわる言い回しです。今回は「美味しいお茶」についてです。

最高に美味しい紅茶とは

美味しい紅茶を飲みながら彼らが何をしているかというと、ズバリ、噂話なんですねwww。全部のイギリス人がそうだとは言いませんが、かなりの確率で、男も女もゲイもバイも全員、彼らは噂好きです。

昔の貴族社会の名残なのか、それともそういう国民性なのかはよくわからないのですが、本当にいろいろな話をしています。

ゴシップとはちょっとニュアンスが違い、噂になっている事柄をそれぞれが自分の見解で話し、シニカルに批評するっていう感じでしょうか。議論してるようにも見えます。

そんな風景をピタッと言いまわしている言葉がこれ

Love and scandal are the best sweetener of tea.(恋バナとスキャンダルは、お茶を最高に美味しくする)

 

まあ、「ですよね」としか言いようがないのですが。

 

考えてみると、王室スキャンダルなんて、平民にしたら恰好の面白いネタでもありますよね。芸能人もまあまあ面白いかもしれませんが、やはり王室ってその生い立ちからして、国民からの注目度が桁違いですからね。

Tasting wine. Portrait of elderly gray-haired man, gentleman or actor posing isolated on dark vintage background. Retro style, comparison of eras concept. Old male model like sommelier.

日本だって、割と最近、皇室スキャンダルのようなものがあり、かなりざわつきましたよね。まあ、人間なんて、こんなもんだよねっていう感じですが(笑)

そう考えると、イギリス王室は常に話題を振りまいてくれていますので、ダイアナ妃の時も、カミラさんの時も、アンドリューの時も、キャサリンの時も、イギリス人はそりゃあ美味しいお茶を飲んでいたってことになりますね。

この言い回しは、「仮面劇の中の恋」という演劇の中で使われているセリフで、18世紀の劇作家ヘンリー・フィールディングが書いた脚本の中に出てきます。

トム・ジョウンズ(上)【電子書籍】[ ヘンリー・フィールディング ]

 

アフタヌーンティーを貴族が楽しんできた18世紀当時は、紅茶は舶来品であり、超高級品です。貴族でもかなりランクの高い方々じゃないと、希少な紅茶を楽しむことなんてできなかった時代です。

この紅茶を、貴族たちの社交ツールとして使いつつ、集まった人たちが楽しく過ごすための共通の話題として「他人の色恋とスキャンダル」があるというわけです。

 

アフタヌーンティーは1840年代に最盛期を迎えますが、それ以前は、貴族はコーヒーを嗜んでいました。コーヒーも舶来品であり、100年ほどかけてコーヒーが大衆的な飲み物になりつつあった時に、紅茶が入ってきたことで、上流社会とそれ以外という棲み分けをハッキリさせるためにも使われたということです。

日本語だと、こういう時に「酒がすすむ」や「飯がうまい」などという言い回しがありますが、イギリスでは「紅茶が美味しい」になるっていうのが、アフタヌーンティーにおける紅茶が、いかにもハイソな社交界で使われた重要なツールであったかも彷彿させますね。イギリス直輸入の紅茶を飲んでみたくなった方は、こちらからどうぞshop uk

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